旧統一教会元信者の衝撃告白手記(20):『為に生きる』の幻想~Mintzの実験【転載自由】

おやぢの独白1999
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『為に生きる』の幻想

Mintz(1951)は、パニック行動の生起要因に関して1つの実験を行いました。

Mintzの実験以前は、パニック行動は恐怖や不安などが引き起こす集団行動の1つだと定義されていました。しかし、これら以外の要因も、これらの行動に関与しているのではないかと考えられるようになってきました。Mintzはこの実験で、「報酬」を1つの要因として捉え、パニック行動との関連を明らかにしました。

実験は、まず20名前後からなるグループをつくりました。
彼らの前には入り口が小さく細くなっているビンが置かれました。
その中には円錐体の小さなかけらがたくさん入っていました。
その先には糸が付いており、その糸の先を被験者が1本ずつ持っていました。
被験者が1人ずつその糸を引っ張れば、円錐体のかけらは順番にビンの口から出るような仕掛けになっていました。
しかし、何人かの被験者が同時に糸を引っ張ると、その円錐体はビンの口で引っかかり、どの円錐体も抜けられなくなってしまいます。模擬的に、群集が非常口に殺到する状況を作り出したのです。順番に整列すれば、全員非常口から脱出できます。
しかし、皆がパニック状態に陥り、非常口に無秩序に殺到すれば、ほとんどの人が脱出できなくなってしまうというわけです。
この実験を被験者グループに行わせる際に、グループごとに異なった教示を行いました。
●金銭報酬群
一定時間内に上手く取り出せた人には賞金を出します。
しかし、時間内に取り出せなかった人には罰金を課します。
●集団行動促進群
グループメンバーがどれくらい協力して行動できたかどうか、その能力を測
定します。

実験の結果は以下のようになりました。

●金銭報酬群——16集団中12集団が出口に殺到(混雑)。

●集団行動促進群–25集団のうちすべてが制限時間内に終了。

協力すれば全員が時間内で終了できる課題であるにも関わらず、「時間内に取り出せなかった人には罰金がある」といわれたグループは、皆自分だけは先に取り出したいと考え、結局はほとんどのグループで、ビンの口に詰まらせてしまったのです。

人は、緊急事態に陥っても、ただ闇雲に「助かりたい」と思って行動するわけではないのです。ある程度、自分の生命や財産などを守ることを考慮に入れて行動しているといえます。それが、集団行動と合致しないときにパニック行動を引き起こすのです。自分が得をするか損をするか分からない、という不安定な状況が原因の一因として考えられるのです。

現役統一教会信者の信仰は、いわゆる『恐怖信仰』というやつが多い。
地獄が怖いから、カタチだけ信仰する、離れられない、というもの。
どっちにしろ、献金のノルマやナントカ摂理があるうちは、『為に生きる』どころじゃないな、こりゃ。

自律のススメ

掲示板にちょっとためになる投稿がされていました。

かってフィンランドの保健当局が、栄養指導や健康管理の効果について、科学的な調査をしたことがある、というのです。
まず、四十歳から四十五歳までの男性を六百人選び、彼らを定期診断し、ビタミンやカルシウムなどをはじめとする栄養学的管理を徹底させ、毎日適度の運動をしてもらい、こういう生活を十五年間続けてもらったのです。
その効果を比較して調べるため、同じような条件にあたる男性六百人を選び、こちら側は、いかなる健康管理の対象にもされず、ただ、健康状態の調査のみをして、同じく十五年間調べました。
十五年後、二者の間に、恐ろしいほどの違いが現れました。
心臓血管系の病気、高血圧、死亡、自殺、いずれの数も一方が他方より、ずっと多かったのです。それがなんと、健康管理をした方のグループだったのです。
医者たちは仰天し、その実験結果の公表を控えたそうです。ここで言っていることは、なにも「健康管理は不要だ」と短絡的な判断を下しているわけではありません。
それは、「過保護は依存的にする」ということなのです。
自立は自律につながっているのです。
我々が、他者依存的になった時、自律組織によって生ずる自然的抵抗力を失ってしまうのです。自らを救うのは、まさに自分自身なのです。
健康管理が他律的に行われる時、恐るべき自己喪失が、そこに生じ、それが自らの心身を守る生気エネルギーを失わせてしまうのであります。

ぼくはこれを、教会組織にどっぷりハマっている人に読ませてあげたい。
現役教会員は、これを読んで果たしてどんな感想を持つのだろうか?

これを、『健康管理』について書いてあるとしか読めない人、あるいは、「統一教会は過保護じゃないよねえ」などと、自分に関係ないと思っている人は、まさしく救いようがないだろう。

ナントカ摂理だ、カントカ路程だ、大変だ、日本が危ない、これが最後だ、といわれるたびに右往左し、振り回され、引きずりまわされてきた者は、『依存状態』になっていることに気づかない。
原理世界は確かに過保護ではないが、組織にどっぷり浸かっている者は、いわば人間ブロイラー状態なのである。

1兆円と60億円の違い

1999年12月17日付朝日新聞が、西部本社版社会面で統一教会らが訴えられていた物販裁判の福岡地裁判決に関する報道で、「霊感商法訴訟が約三十件を占め、被害額の累計は一兆円近いという」という解説記事を掲載した問題で、統一教会広報部では報道内容は事実に反する旨、強い抗議を行っていたが、同紙は報道内容が事実と違うことを認め、12月24日付で統一教会に対する謝罪の書面を送付、訂正記事を12月25日付朝刊に掲載したそうである。

訂正記事は「『献金強要や霊感商法に関する訴訟約三十件の請求額は、計約六十億円になるという』の誤りでした。訂正します」というもの。
朝日新聞社の大狭敏孝広報室長名で教会本部に送付されてきた書面には、「記者が全国霊感商法対策弁護士連絡会へ取材し、記事にまとめる際に、霊感商法などに関する訴訟の請求額累計の数字を誤ったもの」との弁明が書いてあったようだ。

それにしても、この子供のような弁明には笑ってしまうが、統一教会側は、このことに大変気をよくしているようで、以下のようなコメントを教会員向けに発表している。

・これまで、左翼系の弁護士から成る全国霊感商法対策弁護士連絡会らは、単に同弁護士連絡会や消費者センターなどに相談があった事案までひとまとめにして、いわゆる霊感商法等の被害総額は600億円以上などと主張してきた。
・それに対しては関係者は一貫して、事実に反し意図的に被害額を大きくしていると批判をしてきた。
・今回の朝日新聞の報道は訴訟請求額の累計実数や同弁護士連絡会が主張する誇張された被害額とも全くかけ離れたものであり、訂正と謝罪に応じざるを得なかったものと思わる。
・当法人に関わる訴訟においては、昨年末に60億円という訴訟請求額も当事者間の和解が進んだ結果、50億円を切っている。
・教会本部としては、今後もこのような裁判などの争いについては当事者による和解などによる解決に一層努め、早期に訴訟を解決したいと考えている。

今後も、「当事者による和解などによる解決に一層努め」ていくようである。
よっしゃあ!教会がカネ返してくれないで悩んでいる教会員に、これからどんどん和解の勧めをしようではないか。
そうしたら、600億円という数字は真実味を帯びてくるだろう。
一兆円という朝日が主張する数字は、記者の出任せとはいえ、教会に名義貸しをしているもののトータルはこれ位いっているだろう。

ちなみに。
おやぢ総研の計算によると3兆円はあるようだ。
いずれにせよ、訴訟請求額は60億円あるという事実はわかった。
それにしても60億円、である。

青春返せ掲示板に投稿されていた___

私には生まれた時から親の入信していた宗教があります(統一協会とは別、)決して献金や勧誘をする宗教では無いので、昨今の一部の新興宗教の活動は疑問です。ここでの「野の花会」の実態が事実ならば大変遺憾ですし、許せません。金額の大小ではないのです。

このような考えを持った方なら、1兆円と60億円の違いがどしたってんだ!
という感じだろうか。

ぼくは統一教会問題というのは、根本的にカネの問題ではない、と考えている。

「1兆円じゃないんですよ。ね、あの朝日新聞も訂正記事を書いた、でしょでしょう?1兆円から比べたらそんなに大きな金額じゃない、でしょでしょう?たったの、60億円ですよお」

ぼくには、卑屈な笑みを浮かべてこう云っているようにしか聞こえない。
教会がいくら反対派に責任転嫁しようが、子供だましなパフォーマンスで粉飾しようが、根本問題が解決したわけじゃない。

根っこはまだ残っている。

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